経鼻的胃内視鏡検査法
経鼻的胃内視鏡検査法をご存じですか?
経鼻内視鏡検査とは、鼻から胃カメラを挿入する検査法のことを言います。
従来の内視鏡と比べると、約半分の細さの直径5.9mmの細径スコープを用い、検査を受ける事ができます。
従来なら口から入れるカメラを、鼻から挿入する事によりスコープが舌根部に触れず、嘔吐反射(ゲェーッ・オェーッ)が起こらなくなりました。
90%以上の方が、今後も経鼻内視鏡検査を希望すると言われています。
しかも、検査中でも会話ができるので、検査中に疑問に思ったことはどんどん質問ができるようになりました。
少ない麻酔で済むので、鼻への負担も少なく、検査後の仕事や日常生活に支障をきたす事が少なくなりました。
こんな時はすぐに検査を!
内視鏡をうけるべきか、お悩みではありませんか?
「最近どうも調子が悪い…だけど検査に行くべきかどうか判断がつかない…」
とわからなくて困ることはありませんか?
そんな方のためにいくつかチェック項目を用意いたしました。
ぜひチェックをしてみてください。
一つでも当てはまる場合は検査をご検討ください
- 時々、胸やけ、胃もたれ、ゲップをすることがある。
- みぞおちが痛くなることがある。
- 便の色が黒っぽい。
- 胃に、なんとも言えない違和感を感じる。
- 以前、胃潰瘍、十二指腸潰瘍を経験した。
- 家族で胃がんの人がいる。
- 健康診断で、ピロリ菌やペプシノーゲンテストが陽性だったことがある。
- バリウム検査で、異常を指摘されたことがある。
内視鏡検査のメリット
最近の厚生労働省の発表では、日本人の死因の第一位はガンであり、国立がん研究センター発表の2019年がん罹患数予測では、男女合わせて第一位大腸がん、第二位胃がんとなっています。
>詳しくはこちら
また、日本人に多い「慢性胃炎」は、胃がんとの深い関わりがあることも示唆されています。
年齢と共に胃がんの発生率が高まりますので、40歳以上の方(特にご家族や近親者の方ががんになられた人がいらっしゃる場合は)意欲的に胃の内視鏡検査(胃カメラ)を受けることをご検討ください。
症状が何も無くても、早期胃がんのある場合も多く認められる現状であり、早期胃がんの状態で発見することが大切です。
また、早期胃がんの場合、その進行度によっては、「内視鏡で胃がんを取り除くことができる」場合も多くなってきました。
そのためには、やはり「胃がんの早期発見」を行うしかないのです。
また当院では、ピロリ菌検査、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の検査も可能です。
ご自分の健康を守るため、1年に1回は、内視鏡での胃のチェックをご提案します。
経鼻内視鏡検査の流れ
STEP1 検査前日
常用薬は服用して差し支えありません。
普通どおりに生活し、夕食は夜9時頃までに済ませます。
水、お茶、スポーツドリンクなどの水分は夜12時頃までは飲んでも結構ですが乳製品はさけてください。
STEP2 検査当日の朝
高血圧、不整脈、ぜんそくの薬はいつもどおり服用して差し支えありませんが、それ以外の薬については前もって医師に相談してください。
当日の朝から検査までは食事をしないでください。
検査予定時刻の1~2時間前にコップ1~2杯の水をお飲みください。
喫煙は控えてください。
STEP3 来院・受付
検査予約時間までに来院し、受付に診察券と検査の説明書を提出します。
STEP4 検査
胃の中の泡を取り除いてきれいにするため、コップ半分程度の消泡剤(液体)を飲みます。
鼻の奥に麻酔をし、10分位して鼻の表面麻酔が効いてきたら検査を始めます。
先端にカメラのついた細いチューブを鼻から挿入し、のど、食道、胃、十二指腸をじっくりと観察します。
検査時間は5~10分程度です。
もし、異常な発赤やポリープ、がんを疑う病変や腫瘍があれば、先端の鉗子口から処置具を出して組織を採取(生検)します。
STEP5 検査終了後
飲食は5分後から可能ですが、なるべく消化の良いものにしましょう。
次の検診は1年後が目安となります。
特に、慢性胃炎がある場合には、注意深く経過観察を続ける必要があります。組織を採った場合には、1~2週間後に病理結果を聞くために再度受診します。
経鼻内視鏡 Q&A
検査をする時、鼻は痛くないのですか?
鼻には少量の麻酔薬を何度かに分けて使用します。
検査前にやわらかいチューブが痛みなく挿入されればカメラを挿入してもほとんど痛くありません。
経鼻内視鏡と通常の内視鏡とどちらを受けたらいいんでしょうか?
経鼻内視鏡をご提案します。
経口内視鏡検査の経験者で、経鼻内視鏡検査を受けた患者さまのほとんどが次回も経鼻内視鏡検査を希望しています。
鼻炎(アレルギー)でいつも鼻が詰まっているのですが大丈夫ですか?
検査前に医師に相談してください。
少々の鼻づまりであれば、鼻の通りをよくするスプレーを使うと鼻腔が広がり検査が可能となる場合があります。
検査後どのくらいで仕事に戻れますか?
検査後すぐに仕事に戻れます。
検査後食事をする場合はどのくらいを目安にすればいいんでしょうか?
通常の経口内視鏡検査であれば1~2時間と時間を空けなければならないのですが、経鼻内視鏡検査の場合、5分以降であれば食事をしても構いません。
バリウム検査でポリープがあると指摘されました。経鼻内視鏡で検査可能でしょうか?
経鼻内視鏡で生検(組織を採取する)ことは可能ですが、大きなポリープを切除するようなことはできません。
あらかじめ医師に相談してください。